杉山歯科医院 審美 インプラントセンター

フリクション リテンション システム

診断システム フリクション リテンション システム

インプラント治療では、以前は冠をネジでとめていましたが、冠の噛み合わせの面にネジ用の穴をあけなくてはならないのが欠点でした。現在では、アバットメントという歯を削った時のような形をした部品をネジでとめて、その上に冠を被せるやり方が主流です。ただ冠はセメントを用いてつける事が多く、セメントが歯茎の下の方に流れてしまうとその除去が難しいですし、簡単に冠を外せるとは言い難いやり方です。ですからアバットメントのネジが緩んだりしたら、冠を壊す場合も有るそうです。


 私は、冠の内面とアバットメントの外面の摩擦(フリクション)による維持力(リテンション)を使って、冠を装着するやり方を使っています。セメントを使っていないので、外したい時に簡単に外せます。ですからネジが緩んでもすぐに締められます。

 また冠に支えられて、歯茎のラインや歯間乳頭を形づくっている部分の歯茎の内面の状態を観察する事ができ、さらに簡単にその部分の清掃ができます。今まで10年以上このやり方をやっているのですが、その部分への汚れの付着は、歯茎の上の部分より遥かに少ないのですが0ではありません。冠をはずせて、確認できて、掃除できる事は非常に大きなメリットになります。

 セメントの除去はしなくていいので、インプラントの上端部に近いところから連続した冠を作る事が可能で、スムーズな形が作りやすくなります。5年、10年といった長期的に見ていくと、歯茎の形も変わる場合があるので、その場合の調整がやりやすくなります。

 さらにその部分を金属で作った場合は歯茎が黒くなると言われているのですが、白い材料で作る事がきるので、歯茎の色も問題ありません。

 既存のやり方と比較して、その抱えている問題点を解決できる、優れた方法であり、講演での関心度も非常に高いです。この方法は、私の師匠の榎本先生が開発された物です。基本的には、アバットメントというチタン性の部品に被せる冠は、鋳造といって金属を鋳込む方法でフレームを作ります。その後技工士さんが、維持力を調整し、さらにぴったりとマージンと呼ばれる冠の境界部をぴったりアバットメントに合わせていきますので、技術的には高度な物を要求されます。金属の冠のフレームを使うので、メタルフリクションリテンションシステムと言っています。

新しいフリクション リテンション システム

現在はCAD CAMの技術が進み、ジルコニアというとても硬いセラミックを冠のフレームとして使う事ができる様になってきました。しかし、ジルコニアのフレームに維持力を求める事はできません。そこで樹脂系の材料のレジンを介在させる事で、維持力を発生させる新しい方法を開発しました。これをレジンフリクションリテンションシステムと言います。維持力が減少した場合には、レジンの部分をやり替えればいいのが利点になります。

 ジルコニアへの関心は強いので、メタルよりもレジンフリクションリテンションシステムの方が、講演では興味を示す先生方が多いです。しかし維持力の調整が非常にシビアになるので、他の先生にはあまり勧めてはいません。今は、私と一緒に開発した技工士の高野さんだけのスペシャルテクニックです。

今後の展開

現在、台湾で高野さんを中心に、フリクションリテンションの実習、講習会をやっています。将来的には中心になるセンター的な技工所を作れればと思っています。

 また先日ドイツで開かれた、IDS(ワールドデンタルショー)では、入れ歯へのアタッチメントですが、既成品の樹脂によって維持力を出す物が出ていました。実際に口の中で維持力は計測できないのですが、どの位の維持力が必要なのかは実験により把握しています。それに近似したかなり高い維持力が出せるものなので、一つの可能性が見いだせました。

 簡単に維持力が得られれば、フリクションリテンションシステムは普及するはずです。
サンプル画像